
薄桜に宿るもの。
10月1日
読了時間: 1分
桜の色、と聞いて
思い浮かべる色は、
きっと
ひとつではありません。
満開の桜のような色。
散り際の、
透けるような色。
朝の光の中で
白にも見える、
ほんのりとした桜色。
薄桜に使っているのは、
桜染めの布です。
植物から生まれた色は、
均一ではなく、
光によって、
布の重なりによって、
わずかに表情を変えていきます。
その布を裂く。
ほどけた糸も、
不揃いな布の端も残したまま、
ひとつ、またひとつと
編み重ねていく。
そうすると、
ひとつの布だったときには
見えなかった色が
あらわれてきます。
白に近いところ。
桜色が重なるところ。
影を含んで
少し深く見えるところ。
裂くことで生まれる揺らぎと、
編むことで生まれる陰影。
それらが重なって、
ひとつの
薄桜の景色になっていく。
色を纏うことは、
その色が辿ってきた物語を
纏うことなのかもしれません。
BREATH|薄桜。
桜から布へ。
布から、この手へ。
そして、
纏う人のもとへ。
めぐりながら受け継がれていく、
淡い桜の記憶です。





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